レム睡眠とノンレム睡眠

睡眠は、レム睡眠(Rapid Eye Movement sleep)とノンレム睡眠(Non-Rapid Eye Movement sleep)の2つの主要なフェーズに分かれます。これらのフェーズは、睡眠周期の中で交互に現れ、それぞれが異なる特徴や役割を果たしています。

まず、ノンレム睡眠は睡眠周期の最初に始まります。ノンレム睡眠はさらに3つのステージに分かれています。ステージ1は、眠りに入る最初の段階であり、軽い眠りが特徴です。この段階では、筋肉の緊張が緩み始め、眼球運動も減少します。ステージ2は、浅い睡眠の段階で、心拍数や呼吸が安定し、体温も下がります。そして、ステージ3(またはN3)は深い睡眠であり、体が修復や休息を行うための重要なフェーズです。ここでは、脳波はゆっくりとしたデルタ波になり、身体の回復が進むとされています。

そして、レム睡眠はノンレム睡眠の後に現れます。レム睡眠は、睡眠サイクルの中で比較的短い期間ですが、非常に活発な脳の活動と特徴的な特徴を持っています。レム睡眠中、脳波は非常に活発で、眼球運動が速くなり、夢を見ることがよく知られています。筋肉は緩み、ほとんどが麻痺状態になります。これは「レム筋緊張抑制」として知られ、夢を見ている間も、身体が夢の内容に応じて動かないようにします。

ノンレム睡眠とレム睡眠は、睡眠の質と健康において重要な役割を果たします。ノンレム睡眠中、身体は修復と再生を行い、免疫システムを強化し、身体的な回復を促進します。特に深い睡眠(N3)では成長ホルモンが分泌され、体が修復されます。

一方で、レム睡眠は精神的な回復と認知機能の発達に関与しています。夢を見ることは情報処理や学習のプロセスに関連しており、長期的な記憶や学習能力に影響を与えると考えられています。

睡眠はこれらのフェーズを繰り返す睡眠サイクルを通じて行われます。成人の場合、約90分から120分のサイクルで、ノンレム睡眠から始まり、レム睡眠に移行し、再びノンレム睡眠に戻るというパターンを繰り返します。一晩の睡眠の大部分はノンレム睡眠に割り当てられ、後半にレム睡眠が増える傾向にあります。

睡眠の質は、これらのフェーズのバランスや繰り返し、適切なサイクルの進行に大きく影響を受けます。睡眠障害や不規則な睡眠パターンは、ノンレム睡眠とレム睡眠のバランスを乱す可能性があります。

睡眠は身体や精神の健康において非常に重要であり、ノンレム睡眠とレム睡眠の両方がバランスよく組み合わさった質の高い睡眠を確保することが重要です。これには健康な生活習慣、ストレス管理、快適な睡眠環境の整備が必要です。

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